国家公務員は定年65歳に引き上げ 「年収は現役の70%案」が進行中

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民間の「再雇用」と大きな差

   一度退職した人を再雇用(再任用)する方式については

   「今後、再任用希望者の大幅な増加が見込まれ、(中略)希望者全員を65歳まで雇用する仕組みとして十分機能すること困難」

だとして否定的。あくまでも定年の延長を求めているという点が、前出の民間企業に対する厚労省の案とは違うところだ。さらに、50歳を超えた職員の年間給与を60歳時点の70%に設定することも求めている。その根拠として、人事院は厚労省の統計をもとに試算したところ、

   「60歳代前半層の民間企業従業員(製造業(管理・事務・技術))の年間所得(給与、在宅老齢年金、高年齢雇用継続基本給付金)が60歳前の年間給与の約70%」

などと説明している。

   だが、労働政策研究・研修機構が08年2月、60歳定年企業で正社員だった人を対象に行った調査によると、継続雇用制度を活用した人の年収は正社員時代と比べて36.5%、他社に転職した人の年収は48.2%減少している。人事院の試算は、民間の実感とは隔たりがあるようだ。

   10年秋の臨時国会では、野田内閣が国家公務員給与を平均7.8%削減する臨時特例法案を提出しており、人事院勧告との兼ね合いについて多く議論された。結局特例法案は野党の協力が得られず、この臨時国会では成立を断念したが、定年延長の妥当性については議論されないままだ。今後、「官民格差」のひとつとして批判が出る可能性もありそうだ。

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