「iPhone流出騒動」ではブロガーが家宅捜索
今回の判決に、米メディアでは議論が起きている。オンラインメディアの発達に、現行法がついていけていないとの米法律家の指摘もある。
ジャーナリストとブロガーの境界については2010年4月に起きた「アイフォーン(iPhone)試作機漏えい騒動」が思い出される。当時、発売前だった米アップルの「iPhone 4」について、米ITブログメディア「ギズモード」の記者が「試作機を入手した」としてネット上に写真を公開したのだ。アップルから返却を要請されたものの、ギズモードは拒否。実際に試作機を拾ったのは記者ではなく別の人物で、ギズモードが5000ドルを支払って入手したことも分かった。
その後、カリフォルニア州の警察は、アップルの被害届を受けてこの記者の自宅を捜索、パソコンやサーバーを押収した。ギズモードを運営する「ゴーカーメディア」は、当局による捜索がカリフォルニア州のシールド法に反すると批判。ゴーカー創業者のニック・デントンはツイッターで、「ブロガーはジャーナリストと認められるだろうか、それを知るよい機会だ」と投げかけた。
騒動発生から1年以上たった2011年8月、記者に対する不起訴処分が最終的に決まった。だが「ジャーナリストとしての法的な保護」についてまでは踏み込まなかったようだ。