2011年に最もテレビ番組に出演したのはお笑い芸人の有吉弘行さんだった。猿岩石でのブレイクから10年を経て再び人気者となったが、依然レギュラー番組が増えていて、止まるところを知らない感じだ。
2011年12月13にメディア調査会社、ニホンモニターが発表した内容によると、有吉さんは1月から11月までに計499本もの番組に出演した。
再ブレイク後もレギュラー番組が増える
続いて2位が上半期1位だった、お笑い芸人のビビる大木さん、3位が情報番組「スッキリ!!」(日本テレビ)などでコメンテーターとしてお馴染みのテリー伊藤さんだった。有吉さんは2010年の9位(413本)からさらに伸びての1位となった。
元々は、お笑いコンビ、猿岩石として相方の森脇和成さんと一緒にデビュー。1996年にバラエティ番組「進め!電波少年」(日本テレビ)で、ユーラシア大陸をヒッチハイクで横断するという企画に起用され、一躍人気者となった。
しかし、人気は長く続かず、いつしかテレビから消えることに。04年にはコンビを解散し、ピンで細々と活動していたのだが、07年から08年にかけて「おしゃべりクソ野郎」(品川祐さんに対して)といったあだ名命名芸で「毒舌」芸人として再ブレイクした。
それから数年経つのに依然出演は増えるばかりだ。2011年に入ってからも、「ヒルナンデス!」(日本テレビ)、「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日)、「もてもてナインティナイン」(TBS)と次々とレギュラー番組を増やしている。
「使う側としては便利なんですよ」
12月13日にレギュラー出演する「ロンドンハーツ」(テレビ朝日)が放送された際はツイッターに「ロンドンハーツで有吉さんが! みなければ!」「有吉さんが最高すぎる」といった書き込みが寄せられていた。「ロンハーは有吉入ってから、淳の仕事減ったなあ。番組が回る回る」といった指摘も出ており、もはや番組には欠かせない存在となっているようだ。
少し「出過ぎ」な感じもあるが、こうした有吉さんの活躍の背景について、芸能評論家の肥留間正明さんは
「今回ランキング上位に入った芸能人はだいたいギャラが安い。その中でも有吉は名前も売れていて、毒舌という特技もある。『とりあえず有吉を出しておけば面白くなる』という感じで、使う側としては便利なんですよ。『便利屋』芸人ですね」
と語る。また、ここ最近は吉本興業の芸人の活躍が目立つが、太田プロに所属する有吉さんは番組の「吉本色」を中和するのにも役立っているという。「これからはまた飽きられないように注意しなくてはいけません」と、肥留間さんは話している。
この1年働きすぎてしまったのか、有吉さんは12月13日にツイッターに「今年初の発熱。だるい」と投稿した。フォロワーからは「大丈夫ですか?お仕事の疲れが出たのかもですね」「働きすぎです…」といったツイートが寄せられていた。