すしネタといえば、マグロの赤身、トロを真っ先に思い浮かべる人が多いようだが、回転寿司ではサーモンがマグロを追い抜く人気になっている。
特に子供や若い女性に人気のようで、ある調査によれば、男女ともに最初に食べるネタと最後に食べるネタのトップがいずれもサーモンなのだという。なぜサーモンがこんなに人気なのだろうか。
「サーモンなんて寿司じゃねぇ!」と言われた時代もある
長年すし店に通っている中高年男性からは、子供や孫を連れて回転寿司に来ると「サーモンなんてすしじゃねえよ!」などと呟く声がこれまではあったという。全国チェーン「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトの2011年11月の売上げベストテンを見ると「サーモン」が2位、「トロサーモン」が5位に入っている。
サーモンが人気になったのは5年ほど前から。同社広報は、
「回転寿司の業態は、お子様や女性にすしへの門戸を開きました。そうしたお子様や女性に最も食べて頂いているのがサーモンなんです」
と説明する。
「スシロー」を展開する、あきんどスシローの2011年1月から半年間のランキングでは、サーモンを使ったすしがベスト20の中に3品入った。同社の場合はサーモンを使ったすしの種類が豊富のため、「サーモン」として1括りにすれば上位にランクするという。
同社の場合、サーモンは「生」、「炙り」、「天ぷら」、「ペースト状」などレパートリーが多く、様々な嗜好に対応できる。また、養殖技術の進歩で、従来は食べる事が出来なかった生食が可能となった。このため、スーパーなど国内の様々な店舗で販売されるようになり、食事として浸透していったことも人気の背景にある、と説明する。
最初に食べるすしネタトップはサーモン
マルハニチロホールディングスが2010年8月31日に発表した、「回転寿司に関する消費者実態調査」によれば、回転寿司に誰と一緒に行くかを聞いたところ、「家族」が83.5%で最も多かった。一方、回答者全体に最初に最もよく食べるネタを聞きくと「サーモン」が最も多く20.1%。最後に最もよく食べるネタは女性が「サーモン」で最も多く11.2%だった。おいしさや鮮度に期待するネタは、1位が「マグロ」で85.4%、次いで「サーモン」81.6%となるなど、人気や注目度が高いことがわかる。
「くら寿司」を展開する、くらコーポレーションはサーモンを戦略商品に掲げ、最高級品といわれるアトランティックサーモンを使用している。
「サーモンは見た目もオレンジで綺麗ですし、トッピングを工夫するなど様々な商品開発が可能です。今以上に人気が高まると見ています」
と同社広報は話している。