「アルカイダの味方」呼ばわり
MVRDVの作品には、ユニークな形をした建築物が多い。日本でも、新潟の「まつだい雪国農耕文化村センター」や、東京にある複合ビル「GYRE」の建設にかかわった。プロジェクトは欧米やアジア各国に広がり、世界的にも評価が高い。
今回問題視されたマンションは、ソウルの龍山地区に設置される「ビジネス特区」建設プロジェクトの一環だ。国際ビジネスの拠点となるように、ホテルや大型ショッピングモールなどの商用施設、住居スペースを2016年までに新設し、世界的に有力な企業を誘致することも視野に入れている。マンション自体は2015年竣工予定だが、グローバルをうたう「特区構想」の中でマンションも斬新さを海外にアピールするはずが、逆に海外から抗議される始末だ。
英デイリーメール紙電子版や韓国・東亜日報電子版をはじめ複数のメディアがこの騒動を取り上げた。MVRDVはフェイスブックで「報道合戦にさらされている」としたうえで、同社には脅迫メールや苦情の電話が殺到しており「アルカイダの味方」呼ばわりされると打ち明けた。再度の謝罪とデザインの意図を説明しているが、寄せられた200件以上のコメントには、相変わらず厳しい指摘も少なくない。半面、「素敵なデザインじゃないか」「イヤなら目を閉じて見なければいい」と同情的な内容もあり、議論が続いている。