幸福国家「ブータン」ばかりなぜ目立つ 日本の「豊かさ」再調査へ

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都道府県ごとのランキングせず

   ただ、政府の「幸福度指標」は、全項目を統合した数値は算出しない。あくまで各項目の良し悪しから社会状況を診断、政策運営に生かすという建前だ。要は都道府県ごとにランキングしないということだ。

   実は、これは、過去に苦い経験があるからだ。政府は「新国民生活指標」(通称・豊かさ指標)というデータを1992年からまとめていた。経済など生活関連の約140項目の指標を使って、「住む」「働く」「育てる」「学ぶ」「遊ぶ」など8分野に分けて数値化したもので、都道府県別にランキングも発表していた。

   ところが、住居や社会資本などハードの整備状況のウェートが高かったため、持ち家比率や住居の広さ、リゾート施設が多いなど地方の点数が高くなりがちで、公園その他の社会資本整備が追いつかない大都市部が低くなる傾向があった。人口が急増している埼玉県が6年連続で「最下位」になるなど、下位の県から不満が噴出し、1998年を最後にランキング発表は取りやめになったという歴史がある。今回の「幸福度指標」でランキングを出さないのは、順位付けによる無用な摩擦を避けたいという狙いだ。

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