選考開始遅らせば、就職できない学生さらに増える?
経団連が会社説明会などを2カ月遅らせたものの、採用試験や面接を4年生の4月以降のままとしたのは、リーマン・ショック以降、再び「就職氷河期」となった大学生の就職率が厳しいからに他ならない。2011年春卒の大卒就職率は91.0%と過去最低を更新した。このため経団連は「4月の選考開始を遅らせば、就職できない学生がさらに増える可能性がある」と見ている。
一方、経済界の間では「4月以降」の選考開始をさらに遅らせるべきだ、との意見もある。経済同友会や、商社でつくる日本貿易会は、面接や試験などの選考を4年生の「8月以降」にすべきだと主張している。大学生の就職活動が3年生の秋に始まり、早ければ4年生の春で決着するという現状のスケジュールは、かつて就職活動が4年生になってから始まった時代と比べると、大学生が落ち着いて学生生活を送れるのは2年生までということになる。学生の間では、これまで通り4月以降の選考を望む声が強いが、就職活動のあまりの早期化には、採用する企業側も危機感を抱いているようだ。