携帯電話やスマートフォンで絵文字を使う――日本では既におなじみだが、米国でも近年、絵文字を使ったコミュニケーションが増えてきたという。
立役者は、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」だ。
基本ソフト最新版でキーボードに絵文字
携帯電話でメールを書くとき、スマイルや泣き顔、犬や猫の動物から食べ物、天気、乗り物と多種類のアイコンから気に入ったものを選び、文面に張り付けて相手に送る。こうした「絵文字」を使ったメールのやり取りが米国でも人気だと、米ニューヨークタイムズ紙(NYT)電子版が2011年12月6日付の記事で取り上げた。「emoji」と英語表記で紹介している。
米国で携帯電話を使ったメールは、テキストによる「ショートメッセージ」(SMS)が主流だった。そこでは「絵」を表現するために、アルファベットや、カッコなどの記号文字を組み合わせて顔の表情をつくる「顔文字」が頻繁に使われていた。だが「半角文字」のアルファベットの場合、顔の表情も「横向き」となってしまう。多様な全角文字を使える日本の顔文字と比べるとやや見づらく、バリエーションにも乏しい。
イラストでひと目で分かる絵文字が、米国のユーザーの間で使えるようになったのは、「iPhone」の功績のようだ。基本ソフト「iOS」の最新版では、設定の際に「各国のキーボード」から絵文字をセットできる仕組みになっている。米ITブログメディア「マッシャブル」によると、日本を中心にアジアで普及していた絵文字に、アップルとグーグルが注目。2009年に絵文字使用の標準化プログラムを推進したという。現在「iPhone」で使える数は722個に増え、またグーグルのメールサービス「Gメール」でも絵文字に対応するようになった。
NYTの記事では、従来は「顔文字」を使っていたが、絵文字を使えるようになり簡単に「感情表現」できるようになったと話す女子大生や、子どもとのメールのやり取りが楽しくなったという父親のコメントを紹介している。