ダルビッシュに期待と不安 「横の変化球」はメジャーで通用するのか

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先発ローテに入れば、2ケタ勝利

「まず日本人選手は、このところ評価が低いことがあります。メジャー各球団は獲得騒ぎに懲りており、ヤンキースが落札した西武の中島裕之内野手でも、移籍金が2億円ほどです。ダルビッシュ投手も、松坂投手ほどの評価にはならないでしょう」

   さらに、菅谷齊さんは、ダルビッシュ投手本人についても、必ずしも評価は高くならないとみる。

「彼が投げるのは、低めのアウトコースといった横に変化する球種です。いわば横の揺さぶりというわけですが、かつての野茂英雄投手は、縦の変化球が評価されました。ダルビッシュほどのスピードで投げる投手はゴロゴロいるわけですから、よく打つ中南米出身の選手あたりは飛びついて打ってしまうはずです。先発グループ5人には入れると思いますが、よくて3番手でしょうね」

   ダルビッシュ投手は、プロ7年目の2011年は自己最多の18勝を挙げ、防御率は5年連続で1点台を誇っている。しかし、日本のバッターの打力は低く、メジャーとは比較にならないという。

「先発ローテに入れば、2ケタ勝利にはいくと思います。入る球団によって違いはありますが、防御率は3点台の可能性があります。投げる球が軽いので、メジャーリーガーがコツンと打てばホームランになってしまうからです。ダルビッシュは確かに好投手ですが、イチローみたいに記録を狙うのは難しいと思います。しかし、球団や球場に恵まれれば、5年は十分活躍できると思いますよ」

   望み通りの好条件にならなければ、ダルビッシュ投手が日本ハムに残留する可能性も報じられている。とすると、当初の発言通りの結果になることになるが、菅谷さんは、こう言う。

「彼は、MVPなどほとんどのタイトルをすでに獲得しています。もう日本では、新たな目標はないはずです。昨シーズンに楽天の岩隈久志投手が移籍しなかったのは事情があっただけで、そのようなことにはならないでしょう。次は、野球選手ならあこがれるワールドシリーズが、やはり目標になるでしょうね」
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