ネットでは「(陰謀説は)常識」「日本が仕掛けた」
また別の産経記事では、1948年に米国で発刊された、チャールズ・A・ビーアド元コロンビア大教授の「ルーズベルトの責任――日米戦争はなぜ始まったか」の全訳刊行が近く日本で始まることを紹介。
同書について「いわゆる『ルーズベルト陰謀説』が終戦直後に、米側公文書などによって裏づけられていた意味は大きい」と評している。陰謀説は「裏づけられていた」こと、というわけだ。
また、東京新聞は「大統領謀略論に一石」などの見だしで、戦史研究家の原勝洋氏の「新説」を紹介した。原氏が米国立公文書館で、真珠湾攻撃前の段階で米側が旧日本海軍の作戦指示暗号を「解読した」と明記した米軍報告書を見つけたことを伝えている。
「解読時期」の「定説」はもっと遅く、「1942年6月のミッドウェー海戦前」。ちなみに外務省外交暗号は、開戦前から米側が解読に成功していたとされている。
東京新聞記事では、新説と陰謀論を直接的には結びつけていないが、ルーズベルト謀略論について「決定的な証拠がなく、論争が続いている」と触れている。
産経や東京新聞の記事はネットの2ちゃんねるで取り上げられ、「アメリカの陰謀だったことが確定」などと紹介された。
「そんなこと知ってた」「常識」と、「米国陰謀論は事実」と考えているとみられる書き込みが多く並ぶ一方、「(暗号)解読してたから何なんだ?結局、日本から仕掛けたんだろ」「陰謀だろうが(略)乗せられた方が馬鹿」といった指摘もあった。開戦から70年たってもなお論争が続いている。