大学生が就活で内定を勝ち取るために「日経新聞を読むのはやめよう」と書いた本が大学生などの間で話題になっている。
日経新聞を読めば就職に役立つ、というのがこれまでの「常識」だ。なぜ正反対のことを主張しているのか。
大学1、2年生には難しすぎる?
これは「就活は3年生からでは遅すぎる」(東洋経済新報社刊)という単行本で、2011年10月に発売された。著者は「東洋経済HRオンライン」編集長の田宮寛之さん(48)だ。
この本は就職で内定を勝ち取るために、大学1、2年生はどんな学生生活を送るべきか、という視点から書かれている。就職することはビジネスパーソンとなるわけだから経済の知識は不可欠だが、
「はっきりいいます。1年から日経新聞を読むのはやめましょう」
と書いている。著者の宮田さん自身も学生の時に日経新聞は読んでいなかったという。
理由としては、日経新聞は読者が専門用語や経済の仕組みを理解しているという前提で書かれているため、経済オンチには読みにくい新聞であること。そのため、経済を知りたければ日経新聞以外の一般紙ならば何を読んでも構わない、とアドバイスする。一般紙はわかりやすく噛み砕いて書いてあるからだそうだ。一般紙の経済欄を読んでいるうちに知識が付くため、「日経は3年になってからで十分です」としている。
つまり「日経を読むな」ではなく、「一定の経済知識が付くまでは読むな」ということのようだ。
そもそも新聞を読むことが有利に働くのかという疑問も
日本経済新聞は日ごろから「就職に強い」ことを売りしている。この本にあるように大学1、2年生には日経は難しいため、一般紙を読んで力を付けてから日経にチャレンジすべきなのかどうか聞いてみたが、同社広報は
「こうした内容に関するコメントをするのは時間がかかるし、ちょっと難しい」
ということだった。
ネットでは、日経新聞を読みこなすのは難解なのか、ということよりも、そもそも日経新聞や一般紙を読むことが就職に有利に働くのか、ということが議論になっている。
「大学生の頃から運用のため日経を読んでいたが、就活でとりたてて役に立った覚えはない」
「日経は読んでも意味が無いけど、四季報は読むべきだろ」
「今の経済を知りたいならば、ネットでニュースを読んだり、検索した方が何倍も知識が得られる」
などさまざまな意見が出ている。