大阪府が支給を凍結している朝鮮学校への補助金について、支給が再開される可能性がでてきた。府議会で過半数を占める「大阪維新の会」が、補助金を盛り込んだ補正予算案に賛成する方針を固めたと報じられているためだ。だが、維新の会の府議からは「そんなこといつ誰が決めた?」といった声が続出しており、情勢は流動的だ。
2010年3月時点で、橋下徹府知事(当時)は朝鮮学校への補助金支出の是非を検討することを表明している。
学校を視察した維新の会の府議が支給再開に反対
府では、補助金を支給するための条件として、(1)在日本朝鮮人総合連合会(朝鮮総連)との関係を絶つ(2)金正日総書記らの個人崇拝につながる教育を改め、日本の学習指導要綱に準じた教育を行う(3)学校の財務情報を公開する(4)金総書記らの肖像画を教室から外す、という4要件を提示している。この条件を満たすことができていないとして、補助金の支出は凍結状態が続いていた。
だが、11年10月議会になって、初中級学校については4要件が満たされたとして、補助を盛り込んだ補正予算案が本会義で採決されることが確実視されていた。
ところが、10月17日の教育常任委員会で、学校を視察した維新の会の府議が「肖像画が職員室や校長室に掲げられている」などと指摘。職員室に掲示されていることは教室に掲示されていることと同じ意味を持つとして支給再開に反対した。このため、議案は12月議会に先送りになっていた。