準強姦の疑いで逮捕された人物が過去に国から褒章を受けていたとしたら、褒章の行方はどうなるのか。
大学の「教え子」女子柔道部員への準強姦容疑で逮捕された五輪金メダリスト、内柴正人容疑者(33)の熊本県民栄誉賞が取り消された。大学柔道部でコーチをしていた内柴容疑者は、国の紫綬褒章も受けている。内柴容疑者の褒章はどうなるのか、内閣府賞勲局へ聞いてみた。
熊本県知事が緊急会見して発表
2011年12月8日、熊本県の蒲島郁夫知事は緊急記者会見を開き、同県出身の内柴容疑者の逮捕を受け、県民栄誉賞の「取り消し」を発表した。
内柴容疑者は2004年のアテネ五輪と08年北京五輪での男子柔道金メダリストだ。熊本県は、04年と08年に県民栄誉賞を贈っていた(08年は「特別賞」)。
内柴容疑者は、紫綬褒章も04年と08年に受けている。
紫綬褒章は「学術、芸術、技術開発等の功労者を対象とする」(内閣府サイト)。スポーツ分野も対象となっている。褒章は年2回、春と秋に発表される。
例えば、内柴容疑者の初回受章の04年秋には、アテネ五輪金メダリストの競泳、北島康介選手や柔道、谷亮子・現参院議員らも一緒にもらっている。紫綬褒章だけで45人が選ばれた。
2011年秋には、サッカー女子ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」も代表チームとして受章した。ほかに個人24人が紫綬褒章を受けた。
内柴容疑者の逮捕を受け、熊本県民栄誉賞の場合のように紫綬褒章も「取り消し」になってしまうのか。内閣府の賞勲局へ聞くと、「勲章ち奪令」といういかめしい名前の政令に取り決めがあるそうだ。
ちなみに「ち奪令」の「ち」の漢字は、「衣へん」の右に「虎」を含む文字を並べる見慣れない文字だ。