電波オークション早期導入否定 総務省とソクトバンクが「共闘」

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   携帯電話の電波の割り当て方法について、行政刷新会議(議長・野田佳彦首相)のオークション(競売)方式早期導入という提言に、所管の総務省が反旗を翻す事態になっている。携帯電話の「つながりにくい」問題をはじめ事業者の利害が絡むが、刷新会議の主張を省庁が簡単に無視していいのか疑問はある。業界と総務省の「談合だ」という批判もあり、議論は尾を引きそうだ。

   総務省は、第4世代携帯電話より一つ前の「第3.9世代」携帯電話の周波数帯について、900メガヘルツ(MHz)帯が2012年2月に1社選定、700MHz帯は2012年後半に2社を選定予定だが、これについては競売方式とせず、通信会社がいま使っている周波数帯の混雑度合いなどをもとに総務省が決めるとしていた。

刷新会議「収入は一般財源にすべきだ」と主張

   2015年に実用化される第4世代向けの周波数帯の電波割り当てから競売を実施し、最も高い値段を付けた通信会社に割り当てるという段取りだ。

   これに対し、11月21日の刷新会議の「提言型政策仕分け」で、民主党の仙谷由人政調会長代行ら仕分け人から「3.9世代から競売を導入すれば 6000億円の国庫収入が見込め、復興財源に使える」「精力的に作業すれば競売は導入できる」などの異論が続出。提言は「第3.9世代から競売を導入し、その収入は一般財源にすべきだ」と明記した。

   ところが川端達夫総務相は2011年12月1日の衆院総務委員会で、3.9世代帯については「事業者も電波の割り当てを前提に準備しており、既定の方針通り粛々と手続きを進めたい」と述べ、競売方式は第4世代からという従来方針を替えない方針を打ち出した。

   刷新会議の提言にいち早く動いたのがソフトバンク。孫正義社長が11月25日に松崎公昭総務副大臣を訪れ、競売早期導入反対を要望。これに対し松崎副大臣は「オークションを前倒しすれば法律改正に2年ぐらいかかる。携帯電話の電波はパンク状態で、つながりにくい状態を防がないと国民の安心・安全を保てない」と応じ、両者の「共闘」を確認した。

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