プロ野球巨人の前球団代表兼GM、清武英利氏による「爆弾発言」に端を発した巨人内紛劇に、中日ドラゴンズの監督を退任した落合博満氏が口を開いた。
一連の混乱を招いた巨人に対して、「コミッショナーはペナルティーを課さなきゃいけない」と主張したのだ。背景には、自身が日本シリーズを戦う直前に起こされた騒動が、球界のルールに反するとの考えがあるようだ。
「野球界には野球界のルールがある」
落合前監督と信子夫人のインタビューは2011年12月7日、「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系列)で放送された。ベンチで顔色ひとつ変えず采配を振るった監督時代から一転、笑顔を交えて現役時代や夫人とのエピソードを披露する。日本シリーズ第7戦で敗れた後、ロッカールームで選手たちに監督退任のあいさつをしたときの話では、目を潤ませた。
表情が一変したのは、「清武発言」とそれ以降の巨人のゴタゴタに触れたときだ。落合前監督は「どっちの肩を持つとかじゃなくて」と前置きしてから、こう続けた。
「野球界には野球界のルールがある。その中の話を全部表に出すことは、絶対にあってはいけない」
「中の話」の内容は具体的に触れなかったが、これは清武氏が2011年11月11日の記者会見で明かした、巨人のコーチ人事をめぐるやり取りと見られる。既に内定していた1軍ヘッドコーチについて巨人の渡辺恒雄会長が、野球解説者の江川卓氏に変更するよう求めた、という主張だ。球団代表を解任された後も清武氏の「攻撃」はとどまらない。11月25日には再度会見を開き、渡辺会長との電話内容の詳細にまで踏み込んだ。
落合前監督は選手時代の1994年、フリーエージェントで巨人に移籍し3年間プレーした。番組のインタビューで落合前監督自身は、清武氏や渡辺会長に対する直接的な言及はしておらず、代わって信子夫人が渡辺会長について「少年みたいに野球が好き。悪いことと分かれば『悪かった』とその場で言える人」と、一定の評価をしていた。
「おきて破り」ともいえる清武氏の暴露会見と、その後も続く泥仕合。訴訟合戦にも発展しかねない。落合前監督はこの状況に、
「コミッショナーは、読売(ジャイアンツ)にペナルティーを課さなきゃいけない」
と厳しい対処を求めた。