「酒鬼薔薇事件」を彷彿とさせる 16歳犯人の「猫の生クビ持参」

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   「切断したネコの首を学校に持ってきていた」。埼玉県の女子中学生切りつけ事件で逮捕された通信制高校2年の男子生徒(16)に関する証言が報道され、注目が集まっている。

   少年によるネコへの虐待といえば、1997年に神戸市で起きた「酒鬼薔薇事件」とも呼ばれる連続児童殺傷事件を彷彿とさせる。テレビ情報番組の報道を見比べると、酒鬼薔薇事件を例に出す局と暗示にとどめるところと対応が分かれている。

「とくダネ」は「似ている」との談話紹介

事件を報じる新聞各紙。
事件を報じる新聞各紙。

   今回の事件が神戸市連続殺傷事件を「彷彿とさせる」と指摘したのは、2011年12月7日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)だ。「酒鬼薔薇事件」の名称にも触れた。

   酒鬼薔薇事件は、当時11歳の少年が殺害され、切断された頭部が中学校正門で発見されるというショッキングなもので、以降報道合戦が加熱した。ほどなく逮捕された容疑者が、当時14歳(中学3年生)の少年だったことでも大きな衝撃を社会に与えた。ほかの殺傷事件を起こしていたことも判明した。

   酒鬼薔薇事件の少年については、事件直前にネコやハトを殺害する姿が目撃されていて、のちの家庭裁判所の送致決定の中でも、「ネコ殺しの欲動が人に対する攻撃衝動に発展した」と指摘された。

   今回の切りつけ事件に関して「とくダネ」は、容疑少年が通信制高校へ移る前に通っていた「高校の職員」の男性の証言を伝えた。高校を自主退学する直前の11月はじめごろ、少年が「ネコの頭のような」ものを持って登校し、「複数の生徒が見た」そうだ。

   「とくダネ」がコメントを紹介した東工大の影山任佐教授(犯罪精神病理学)は、切りつけ事件の容疑少年が動物虐待から人に怪我を負わせる段階に進み、さらに「人を殺そうと思っていた」と話しているとされることを受け、「酒鬼薔薇事件に似ている感じがします」と話した。

   「ネコ虐待」だけでなく、「ナイフ・刃物の収集」という共通点もある。今回の埼玉・三郷市の事件の容疑少年は、ナイフ集めが趣味だったようで、自宅から20本以上の刃物が押収された。酒鬼薔薇事件の少年も当時、ナイフを収集していた。

   12月7日放送の民放他局の情報番組は、「ネコの首、学校へ持参」などの情報は伝えたが、「モーニングバード」(テレビ朝日系)と「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)では、酒鬼薔薇事件には直接触れず、暗示するにとどまった。

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