日米欧の6中央銀行が市場へのドル資金供給を拡充
強力な援軍も現れた。11月30日水曜日夜11時。 日銀の白川方明総裁は異例の緊急会見を開き、日米欧の6中央銀行が欧州債務危機の拡大を防ぐため、市場へのドル資金供給を拡充すると発表した。欧州不安によって緊張の高まる金融市場でドル資 金を調達しやすくする狙いだ。白川総裁自身が「時間を買う政策」と述べたように抜本的な解決策ではない「時間稼ぎ」だが、米欧株式市 場は世界の中央銀行の協調策を好感。中国人民銀行も同じタイミングで金融緩和にかじを切ったことも後押しし、30日 のニューヨークダウは490ド ルも上昇し、一気に1万2000ドルを回復した。翌12月1日の日経平均株価も162円77銭上昇し、8597円38銭 と8600円まであと一歩のところまで回復した。
東京株式市場で株価とともに問題視されていた出来高、売買代金の低調さも11月28日に始まる週は一服。出来高(1日平均)は前週比15%増の16億5200万株、売買代金(同)は同14% 増の9066億円に持ち直した。
ただ、欧州債務不安が払拭されていないのは懸念材料。まずは8~9日のEU首脳会議で具体的な成果がどこまで得られるかどうかが、今後の株価の動向を大きく左右しそうだ。