ツイッターを広告媒体として活用するサービスがある。ユーザーが特定の商品を紹介する内容を投稿し、報酬を得る仕組みだ。
フォロワー数が多いと宣伝効果も大きいためか、広告主からの依頼や支払い金額も増えるようだ。あるユーザーがサービスに登録したところ、早速「つぶやきひとつ」5000円を超える発注があったという。
フォロワー1000人未満だと低料金
ツイッター上での広告サービスのひとつに「つあど」がある。登録すると、広告主から「つあど」経由で宣伝の依頼が届く仕組みだ。とはいえ、広告主側も当然、大きな成果を上げてくれそうな人にツイッターでつぶやいてほしい。誰でも受注できて高収入を稼げる、というわけではなさそうだ。
登録すると、自分で「1つぶやき」当たりの価格を設定できる。ただしフォロワーが1000人未満の場合は低い金額しか申告できない。ごく少数のフォロワーしかいないと、「30~100円」に限定されてしまう。逆に1000人以上であれば、高めの価格に変更できるようになる。
広告主は、登録者のフォロワー数に加えて普段のつぶやき内容、自己紹介文、設定価格を総合的に判断して注文を出すという。その条件に満足すれば受注し、不満なら断ってもよい。あくまでも登録者の判断で出稿を決められる。
実際にどんな形でツイッター上に「広告」が出ているのか。2011年12月5日には、あるアプリケーションの宣伝が見られた。出稿したユーザーのつぶやきには、そのアプリが入手できるウェブサイトのリンク先が必ず組み込まれている。しかし紹介の仕方は、「これはなかなか面白い」「こんなことが出来るツイッターって凄いな!」「あとでやってみよ~っと」などさまざまだ。この文面も、事前にユーザーと広告主との間で打ち合わせて決めている。
配信が完了すれば、投稿したユーザーに「原稿料」が入る。人によっては1回のつぶやきが相当な金額に上るケースもあるようだ。クリエーター、ブロガーの「ヨシナガ」さんは、自身への「つぶやき広告」のオファーに驚きを隠さない。
投稿文の最後にサービス名を入れる
ヨシナガさんは12月1日、SNS「グーグルプラス」上で、「つあど」へ登録した話を披露した。登録すると早速、キャンペーン広告の依頼が舞い込んだという。金額は、つぶやき1回で5578円となっている。「読者も宣伝と気付いて嫌な思いをするだろうから5000円程度ではつぶやかない」とつづった後で、
「とても怖い感じがした」
と吐露した。ヨシナガさんのツイッターのフォロワー数は2万3000人に迫り、本の執筆やテレビ出演、講演もこなすマルチな人物だ。ネット利用者への影響力が大きいとみた広告主が、「高値」をつけたのだろうか。
ネット掲示板でも、ヨシナガさんへの発注内容には反響があり、「毎日3回つぶやけば年収1000万円。やべえ」との書き込みもあった。
ツイッターの投稿を利用した広告は、ツイッターの運営会社も実施している。本文の下に黄色のアイコンと広告主が表示される「プロモーテッド・ツイート」と呼ばれるものだ。つあどの場合も、本文の最後に「つあど」と明記することで一般の投稿内容と区別する工夫をしているが、肝心の「つあど」が何かを知らないフォロワーにとっては、広告とは気付かず閲覧する可能性が高い。だが、サービス名を示している以上、広告であることを一切隠して宣伝する「ステルスマーケティング」とは言えないだろう。正体を明かさないステルスマーケティングに対しては、これまでも批判が絶えない。