システム負担の軽減から年間70億円のコスト削減
東証のローカル化も著しく、上場外国企業数は11月17日に上場廃止を申請したスペインの電話事業大手テレフォニカを除くと11社 にとどまる。127社 を数えたピークの1991年から10分 の1以下に落ち込む。今年10月末時点でともに500社を超えるニューヨーク証取、ロンドン証取や、300社を超えるシンガポール取引所にも大きく遅れをとっているのが実情 だ。
東証、大証の統合により、システム負担の軽減から年間70億円のコスト削減効果が得られるという。証券関係者の間には「ここで生まれた余裕を海外企業の上場誘致や海外への システム売り込みにつぎ込むべし」との見方がある。
最終的に背中を押したのは金融庁。両者がメンツ争いにこだわり破談も視野に入る状況にいらだちを強め、「来年10月 の統合でまとめられないか」などと働きかけたという。
今後の焦点の一つはさらに取引所を統合し「総合取引所」を設けること。筆頭候補は金や原油などの商品先物取引を扱う東京工業品取引所。東証大証が「日本取引所グループ」から「証券」の名を外したのも東工取合流への布石だが、監督官庁が異なるだけに調整の難航も予想される。