「SMAP」元メンバーでオートレーサーの森且行選手(37)のメディアへの露出はこれまでタブーとされ、オリジナルグッズの販売もなかった。テレビ番組で「SMAP」メンバーが森選手の名前を出すだけで大きな話題になっていたが、オートレーサー転身後初めて、小型自動車競走振興法人のJKAから森選手の個人カレンダーが発売された。
森選手は芸能界引退後もジャニーズ事務所の意向を尊重し、メディアからの取材依頼などがある度に相談したが断られてきた、とされていた。それが「SMAP」デビュー20周年の2011年になって、「雪解け」が訪れたようだ。
森はいつもジャニーズ事務所に相談していた
森選手は1988年結成された「SMAP」のオリジナルメンバーで、91年9月9日に、「Can't Stop!! -LOVING-」でCDデビューした。ジャニーズ事務所のアイドルグループとしてはブレイクするまでに時間がかかったが、94年のCD「Hey Hey おおきに毎度あり」でオリコンチャート1位を獲得後はトップアイドルの仲間入りを果たし、木村拓哉さんを凌ぐほどの人気者だった。
96年5月に突然、オートレース選手への転身を決め、「SMAP」を脱退し、芸能界からも引退した。オートレース場にはファンの若い女性が詰め掛けたが、その後はテレビなどのメディアから森選手の姿は消えてしまった。
「SMAP」の過去のVTRが流れるときも、森選手は不自然に消されていて「まるでSMAPに存在しなかったかのような扱いだ」などとネットで騒がれた。
メディアへの露出がタブーなった理由については様々な憶測が流れていた。突然の引退に腹を立てた事務所が報復措置に出た、というものや、オートレースはスポーツとはいってもギャンブルであり、中高生のファンを近づけるのはジャニーズにマイナスになる、という見方もあった。
JKAは、
「マスコミに露出させることや、オリジナルグッズを販売することなど、どこにも気兼ねすることなく私達の独自判断で出来る」
と説明する。オートレースのPRになるのなら出演したい、という思いは変わらなかった。
しかし、森選手にテレビ出演や、雑誌のインタビュー依頼があると、
「事務所が許せば…」
と異常に気にし、ジャニーズ事務所に相談していたのだそうだ。
これまでメディアに露出がなかったのは、ジャニーズ事務所側が了承しなかったからだろう、とJKAの担当者は推測する。
「SMAP」デビュー20周年が一つの契機に?
転機が訪れたのはNHKが11年10月10日に放送した「プロフェッショナル仕事の流儀」。メンバー5人を長期ロケしたドキュメンタリーで、デビューから北京公演までの20年間を追った。
NHKからJKAに過去の映像を使いたいと依頼があり、森選手と相談したがいつも通りの反応だった。ところがこのときはOKになった。番組内でも森選手について語るメンバーの映像が流れた。
JKAも驚いたようだ。JKAには選手達のオリジナルグッズを販売するサイト「みんなでオートレースモール」があり、有名選手のスタジアムジャケットやTシャツなどが選手の写真入りで並んでいるが、これまで森選手のものはなかった。それが11年12月1日から初めて、森選手の個人カレンダーが発売された。これもジャニーズ事務所からの許可が出たからだという。JKAでは、
「SMAPの20周年と関係があるのかもしれません」
と話している。ただし、今後のメディア登場は未定だそうで、森選手とジャニーズ事務所の関係が本当の「雪解け」になったかどうかはわからない。
森選手のカレンダーはCDサイズの14ページで価格は税込み 2100円。抽選でサイン入りのカレンダー画像の生写真が購入者12人に当たり、さらに、撮影時に森選手が身に付けていたペンダントが一人にプレゼントされる。