選挙後、「雲隠れ宣言」した橋下徹・新大阪市長は、今どこで何をしているのか。選挙の疲れを癒すため旅の空の下なのか、それとも自宅にこもり、大阪市役所改革の「秘策」を練り上げているのだろうか。
当選会見で「(これから)1週間は、ちょっと行方知れずにさせてもらう」と「雲隠れ宣言」した橋下氏だが、選挙直後の報道ぶりに我慢ならなかったのか、「新聞社の皆さんへ」と呼びかけ、選挙戦中休んでいたツイッターを一時再開する動きもみせている。
市長引き継ぎ式まで「3週間」
大阪市長選で落選した現職の平松邦夫市長の任期は、2011年12月18日まである。市政策企画室によると、橋下新市長の任期が始まる19日に引き継ぎ式を行う線で調整する予定だが、「まだ日程は確定していない」。
橋下氏と、同じく「大阪維新の会」の府知事候補だった松井一郎氏の2人は、11月27日夜の開票で早々と「当選確実」を決め、会見に臨んだ。
この会見で橋下氏は「雲隠れ」宣言をした。任期が始まるまでの3週間のうち、1週間は「行方知れず」となり、残り2週間で市役所の組織改革について考えをまとめ上げる姿勢を示した。
一方、松井氏の任期は、前府知事の橋下氏が辞職した関係ですぐに始まるため、11月29日には府庁で橋下氏と松井氏の引き継ぎ式があった。橋下氏はマスコミの取材にも答え、29日にあった維新の会市議団の会議にも出席した。「完全雲隠れ」とはいかなかったようだ。
「公的行事」も終わり、雲隠れが本格的に始まるかに見えた翌30日には、橋下氏は、選挙のため11月9日を最後に休んでいたツイッターを再開させた。
我慢できない報道があったのか、「新聞社の皆さんへ」と呼びかけ、「維新関係者が発言したこと」と「僕が方針決定したこと」とを「ごっちゃにして」報道している、と注意を呼びかけた。具体的に「産経、毎日、読売」の社名と記事内容を挙げている。
「大阪には、いると思いますが…」
自身の雲隠れ宣言を意識してか、「現在、皆さんの取材を受けていない僕の責任でもありますが」とことわりつつ、「僕の方針は、僕が直接皆さんにお話します」として、関係者談と橋下氏談とを「明確に区別して下さい」とたしなめている。
30日のツイッター「連投」は、13回に及んだ。以降は、12月2日夕現在まで再度「お休み状態」に戻っている。
橋下氏は、知事引き継ぎ式があった11月29日にテレビカメラの前に姿をみせたものの、当選後、ワイドショーやニュース番組への出演はしておらず、文字媒体のインタビューにも出てない。
「1週間の雲隠れ明け」となる来週の5日(月曜)以降についても、橋下氏関係者によると、「今のところテレビ出演予定も入っていない」。維新の会事務局も11月29日の市議団会合以降の橋下氏の行動は「把握していない」としている。
11月30日から12月2日(夕)までは、ツイッターを除けば「音無」の構えの橋下氏は何をしているのだろうか。旅行にでも行ったのか、それとも水面下で政治活動を活発化させているのか。自宅でのんびりし、選挙戦の疲れを取っているのかもしれない。
先の関係者によると、「大阪には、いると思いますが…」とのことで、詳しくは分からないようだ。
橋下氏の「雲隠れ明け」は、単純計算通り来週5日(月曜)なのか、また、どんな形でマスコミに再登場するのかは分かっていない。