損害賠償額、最大6000億円も?
ただ、金商法の規定に基づくと、株主によっては損害額が小さくなる可能性がある。その場合は、「株式取得時の価格と売却時の価格の差額」を損失として主張することもできる。前出の仲江弁護士は、「この方法だと、虚偽記載の公表日より1年以上前に株式を取得した人も損害賠償を請求できます。集団訴訟になった場合など、おそらくこれをもとに損害額を主張する株主が増えるように思います」と話す。
そうなると、オリンパスへの損害賠償請求は2000億円を超える可能性がある。「株価は高値のときに1株2800円台をつけていました。そのときに買って、急落したときに売った場合には2000円超える差額があるわけですから、理論的には最大で6000億円の損害になる計算です」(仲江弁護士)と説明する。債務超過もより現実味を帯びてくる。
もちろん、オリンパスも債務超過を回避するのに必死になるだろう。仲江弁護士は、「株主は損害を会社に請求しますが、会社も当時の役員や監査法人に対して損害賠償請求できます。オリンパスも会社を守るため、かなり厳しい訴訟をしていくことになると思います」とみている。