斎藤佑樹「6勝6敗」で年俸倍増 大盤振る舞いのなぜ

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大盤振る舞いに見えるが球団にとっては十分お釣りが来る?

   集客力は「プロの実力」である。どんなに投げ勝っても、どんなに打っても、ファンを呼ぶ魅力がなければ一流とはいえない。

   かつて「選手の年俸は観客動員によって決められるものだ」と言った野球人がいた。西鉄の黄金時代を築き、大洋を最下位から日本一にした三原脩監督である。「風雲児」「魔術師」との異名をとった名将だ。経営にも持論があった人物で、日本ハムの初代球団社長を務めた。その伝からいえば斎藤の評価は当然といえよう。

   大リーグにはかつて、三原のいう「観客動員」に大貢献した選手がいた。1970年代のヤンキースを支えたレジー・ジャクソンという打者で、ワールドシリーズで3連続本塁打を放つなど、ポストシーズン、特にワールドシリーズに強いところから「ミスター・オクトーバー」といわれたスラッガーだ。ヤンキースタジアムは毎試合満員。さらに「レジー・キャンデー」との名前でキャンデーも売られ、ジャクソンの収入はだれも分からないほどの額となった。

   集客の魅力に日本ハムは倍増年俸を払うことになったが、実は大分安く抑えた感がある。シーズン半ばで契約金は取り戻しているだろう。ただファンは、斎藤は「人気先行」と見ている。人気と成績のバランスを巧みに取り入れた語呂のいい100%アップ。日本ハムはよく考えている。斎藤は来シーズン、10勝台に乗せれば「人気+実力」となり、本格的にスターの道を歩むことになる。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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