米グーグルが提供するサービス「Think Insights」が「恐ろしい」と話題になっている。
あまり知られたくないような分析結果が、たちどころに入手できてしまうというのだ。初めて耳にするという人も多いと思うが、いったいどんなサービスなのか。
年齢、学歴、世帯収入…サイトのユーザー層丸分かり
「Think Insights」はグーグルが開設したポータルサイトで、「100以上の研究と、消費活動からデジタルメディアのトレンドまで豊富なデータをまとめたオンライン・リソース」と説明されている。具体的にはインターネットユーザーの動向をまとめた資料を見ることができたり、どんなサイトが多く見られているか、どんな言葉が発言されているかを知ることができたりというもので、メディア分析に役立つサイトだ。
その中の「DoubleClick Ad Planner」というツールは、サイトのURLを入力するとそのサイトのユーザーの年齢や学歴、世帯収入、興味・関心などを知ることができるもので、企業が広告を売り込む際などに利用することを想定して作られている。データはGoogleツールバーユーザーが登録した個人情報やサイトの訪問履歴、サイトの運営者から提供されたアクセス解析の情報などを組み合わせた推計として割り出されている。
このツールがインターネットユーザーにとって「恐怖の対象」となっているのだ。「ベスト&ワースト」というブログメディアのライターが試しに2ちゃんねるのURLを入力してみたところ、ユーザーの学歴や年齢がわかってしまった。35~44歳のユーザーが最も高い割合の43%を占め、次いで45~54歳が20%、0~17歳が14%だ。学歴は大学卒業が36%と最も多いが、高校卒業が29%、高卒未満(17歳以下の現役学生を含む)が22%と高い割合を示している。記事では紹介していないが、世帯収入は300万~499万円が32%、0~299万円が27%、500~599万円が15%で、1200万円以上は0%という結果だった。
「オッサン多すぎだろ」「やっぱりお前ら低学歴だったんだな」
インターネット掲示板「2ちゃんねる」ではこの記事が公開されてすぐにスレッドが立てられ、コメントが寄せられた。
「オッサン多すぎだろ」「2ちゃんは底辺ナマポ(生活保護)の巣窟だからな」「やっぱりお前ら低学歴だったんだな」とユーザーを揶揄(やゆ)するものや、「今は若者のほとんどがニコニコやツイッターにとられてるからな」「高卒未満が22%もいるのは17歳以下のアクセスが14%あるからだろう(それでも8%も高校中退がいることになる)」など結果を分析するもの、「大学生は多いだろ。3%程度しかいないのは明らかにおかしい」「これは多分嘘だな」とそもそも調査を信用していないものなどさまざまだ。
果たして分析結果の信ぴょう性はどれくらいなのか。グーグルを利用せずブックマーク機能や専用ブラウザなどから直接2ちゃんねるにアクセスする人が少なからず存在することを考えると、一つの参考情報と考えたほうがよいのかもしれない。