後手後手に回った政府対応に不信感
ところが、その後、ブログやツイッターで、ソースの問題点には触れず、記事形式の書き込みを紹介するケースが相次いだ。
「子供を被曝から守ろう!」と訴えるコミュニティ掲示板でも2011年11月23日、この書き込みを紹介したほか、また別のブログでも24日、統計データが見当たらないものの「火の無いところに煙は立たず」と書き込みに触れた。ツイッターでも、書き込みをコピペして、つぶやく人がいた。
どうやら、ネット上で紹介しているのは、放射能汚染を深刻に考える人たちによるケースが多いようだ。前述の掲示板では29日、安易な紹介を謝罪したが、「今後、このデマが本当の事になってしまわない事を願うばかりです」と明かしていた。
今回の書き込みは、専門家から見た場合、考えにくい内容だったようだ。
神戸市内の小児科医というブロガーは、白血病患者がいきなり前年の7倍に増えれば、専門医不足の病院はパンクすると指摘した。また、直近の4~10月の統計データを調べるには、ありえないほど早いペースの作業が必要になるとしている。
とはいえ、ネット上では、白血病急増の情報をつかんだ人が記事形式でリークした可能性があるなどといった意見も依然くすぶっている。それは、政府が後になってメルトダウンを認めるなど、後手後手の対応に回ってきたことに対する不信感からのようだ。書き込みを見ても、「実際どうなんだよ ちゃんと調査しろ!!!」といった声が相次いでいる。
しかし、日本医師会では、白血病の統計調査はしていないという。厚労省の保健統計室でも、9、10月に白血病の患者調査をしたものの、発表は12年12月ごろになる予定だとしている。