福島原発・吉田所長「病名非公表」で波紋 ネットに「早期回復」祈る声も多数

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枝野経産相「(被ばくの)影響があれば公表する」

   ネット上で引き合いに出されているのは、8月30日に東電が発表した内容だ。福島第1原発の復旧作業にあたっていた40代の男性作業員が、急性白血病で死亡したもので、「医師の診断の結果、作業と死亡の因果関係はない」と説明した。

   この40代男性の件でも、被ばくとの因果関係を疑う声が当時から出ており、今回の吉田所長の入院と一部イメージを重ねようとする人もいるようだ。

   一方、2ちゃんねるなどには、厚生労働省による白血病の労災認定基準に「1年超の潜伏期間」などを定めていることから、40代男性の件も、原発事故による被ばく問題と関係付けるべきではない、と諫める声もある。

   ジャーナリズム論が専門のある大学教授は、「今回の病名非公開は、多くの人が疑問を持って当然だ」とし、「東電が発表すべきというよりも、ジャーナリストが取材をして報じるべきだろう」と話した。

   また、プライバシー問題に詳しいある弁護士によると、病名を公表・報道すべきかどうかは「一概には言えない」という。最高裁判例では、「公表すべき利益とプライバシーとを両天秤にかける」考えが示されているからだ。

   「興味半分」の病名報道ならすべきではないだろうし、仮に被ばくと関連があったり、東電による社員の健康管理に問題があったりするようなら「公表すべき利益あり」との見方ができそうだ。

   枝野幸男経済産業相は11月29日の会見で、吉田所長入院について、被ばくとの関連は「可能性はないだろうと思われる」と述べた上で、「確認させており、影響があれば公表する」と明言した。

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