野村HDに欧州危機直撃 関連会社の売却報道まで飛び出す

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   国内証券最大手の野村ホールディングス(HD)を、欧州危機が直撃している。2011年7~9月期連結損益が460億9200万円の赤字になったことから、総額12億ドルを削減する大リストラ策に取り組む。

   欧州を中心に1000人もの人員削減や、野村不動産や野村総合研究所といった関連会社の売却報道まで飛び出し、11月24日の同社株は年初来安値を更新し、一時223円まで下落した。市場では、経営環境が相当厳しいと受けとめられているようだ。

「買い叩かれるような売り方しないはず」

野村ホールディングスを、欧州危機が直撃!(写真は、野村HDのホームページ)
野村ホールディングスを、欧州危機が直撃!(写真は、野村HDのホームページ)

   英フィナンシャル・タイムズ(FT)や、国内でも共同通信などが報じたところによると、野村HDは保有している野村不動産や野村総合研究所の売却の可能性を複数の大手プライベート・エクイティ・ファンド(PE)に打診。FTはPE関係者の証言として「野村は証券業務と直接関係のないあらゆる業務について、あらゆる相手と協議している」と報じている。

   これに対し、野村HDは「憶測に基づいて書かれた記事で、コメントは差し控えさせていただきたい」としている。

   とはいえ、火のないところに煙は立たない。野村HDは2008年秋、リーマン・ブラザーズの一部事業を買収し、海外拠点を大きく拡大したが、ギリシャ問題に端を発した欧州危機による景気の不透明感から株式市場が振るわず、買収効果が収益に結びつかない状態となっている。

   なかでも、欧州部門は経営の足を引っ張ってさえいて、7~9月期決算の発表時に明らかにされた8億ドルを削減する追加リストラ策も、欧州事業がそのうちの6割を占める。かなり厳しい経営状況に置かれているとみられる。

   その半面、野村不動産や野村総研は関連会社(持分法適用子会社)なので、「事業を売却しても本体へのコスト削減効果は薄い」との見方もある。まして、野村総研はもともと野村証券の調査部門が独立して設立。「歴史的な経緯が、投資目的で保有している株式とはワケが違う。たとえ売るにしても、買い叩かれるような売り方はしないはず」(市場関係者)という。

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