オリンパスの損失隠しをめぐって来日中のマイケル・ウッドフォードオリンパス元社長が2011年11月25日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見を開いた。社長解任までの経緯を明かす一方、社長復帰については「株主が決めること」と、含みを残した。
オリンパスが不当に高い金額で企業買収を繰り返していた問題を最初に報じたのは、11年7月発売の月刊誌「ファクタ」11年8月号。菊川剛元会長は、他の取締役に対して、ファクタの記事についてウッドフォード氏に知らせないように指示したというが、結局はウッドフォード氏の耳に入ることになる。
社長復帰については「戻る準備はできている」
ウッドフォード氏が記事の内容について菊川氏を問いただしたところ、
「大半は正しい」
と述べたという。また、後に解任されることになる森久志副社長は、
「私は(社長のウッドフォード氏よりも)菊川氏に忠実だ」
と発言したといい、その時点で、
「本当にひどい何かが起こっている」
と確信したとしている。
自らの社長復帰については
「こだわっているわけではない」
としながらも、
「株主が決めること。戻る準備はできている」
とした。
上場廃止は避けるべきだと主張
現時点で監理ポスト入りしている同社株については
「上場廃止は株主にとっても従業員にとっても良くない」
と、上場廃止は避けるべきだと主張。今後の経営については、
「豊富なキャッシュフローがあり、銀行が支援すれば、生き残っていけるだろう」
と、楽観的な見通しを示した。オリンパスと反社会勢力とのつながりについては、
「現時点では証拠はない」
と述べた。