飲食店の口コミ情報を集めたウェブサイト「食べログ」のあり方をめぐり、飲食店から批判の声が広がっている。「金銭を支払えば、良い口コミを目立つところに配置し、悪い口コミは目立たなくする」といった営業電話が飲食店に相次いでいるというのだ。
食べログ側は、「正規の代理店は、そのようなことはしていない」と主張。ブログで「食べログから営業電話があった」などと書いた飲食店に対して記事削除を求める「通知書」を送るなど、食べログ側も神経質になっている様子だ。
「お金を払うと人気ランキングの4位以内に入れる」?
ここ数ヶ月ほど、食べログを名乗る営業電話をめぐるトラブルが続出している。例えば、11年9月には、都内の飲食店が開設しているツイッターで、食べログの営業を名乗る人から
「お金を払うと人気ランキングの4位以内に入れる」
といった営業電話があったことが暴露された。その上で、店側は
「営業の方に、不正ですよね?と尋ねたら。、、、そうなりますね。だって。ひどすぎ。これはマジな話です」
と怒りをあらわにした。これを受け、ネット上で食べログに対する批判が相次いだが、6時間後に店側は
「『食べログの営業』と書き込みましたが、実際には確認がとれていなくツイートをしてしまいました。食べログの関係者の方にはご迷惑をおかけしました」
と、軌道修正している。
掲示板や口コミサイトへの書き込みを請け負う業者は多数存在しており、これらの業者が食べログの代理店を名乗って営業電話をしている可能性もありそうだ。
11年11月には、都内のトルコ料理店のブログで、同様の営業電話があったことが明らかにされている。食べログ側は、このブログの書き込みに対して、簡易書留で通知書を送付。通知書では、
「貴店ブログにおいて弊社代理店が食べログ口コミを投稿するなどの営業を行ったと記載されております。繰り返し説明させて頂いているとおり弊社代理店ではそのような営業は行っておりません。弊社代理店ではないにも拘わらず、代理店を名乗り営業を行う業者が存在しております」
と主張。その上で、
「貴店に行われた営業が弊社代理店であることの確認なしに、貴店ブログへの掲載がなされているとすれば、きわめてゆゆしき事態」
と、記事の削除を求めている。
食べログ運営会社「個別事案についての回答は控える」
なお、食べログを運営するカカクコムでは、
「個別事案についての回答は控えさせていただければと存じます」
と、この店舗に関する事実確認に応じなかった。
食べログでの店舗情報掲載をめぐっては、訴訟に発展した事例もある。10年7月、佐賀市内の飲食店経営の男性が、無断で店の情報が掲載されたとして、削除を求めてカカクコムを提訴。飲食店側は、メニューの写真などが無断で投稿され、外観やメニューなどを変更しても食べログには反映されないとして「客に誤解を与える」などと主張。当初、カカクコム側は「利用者は最新の情報ではないことを理解している」などとして全面的に争う姿勢を見せた。だが、後にカカクコムは店舗情報を削除した上で和解金を支払い、飲食店側は訴えを取り下げている。