「iモードはインターネットじゃない」 ソフトバンク孫社長「真意不明」発言

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グーグル会長から「iモード尊敬している」と言われた

   一方、iモードの開発に携わった夏野氏は一連の発言に驚きを隠さない。10月27日の決算発表の後にはツイッターで「孫さんらしくない。どうしちゃったんだろう」といぶかっていたが、雑誌インタビューで再度iモードがやり玉に挙げられると、さすがに黙っていられなかった。11月22日には「いい加減堪忍袋の緒が…」「そこまで言うのだったら一度真剣に議論してもらいたいです。あくまでニュートラルに」とツイッターに書き込み、納得できない様子を見せた。

   iモードがサービスを開始した1999年当時、携帯電話からネットにつながる仕組みは世界でも画期的であり、夏野氏もiモードに対する自負があるのは当然だろう。当時の苦労に理解を求めつつ、「尊敬する方から否定発言されると言うのは本当に悲しい」と嘆いた。また、2000年代前半に「アイフォーン(iPhone)」のような端末はつくれなかったとも指摘。米グーグルや米アップルも日本を研究してきたと説明した。実際に夏野氏は、現在グーグル会長を務めるエリック・シュミット氏から「iモードを尊敬している」と直接言われたと明かした。

   夏野氏の反論が目に届いたのか、その後孫社長はツイッターで「夏野さん達が2000年代初期のあの時代にimodeを開発された事は、心から敬服しています」とこたえた。当時の携帯のCPUや通信速度、液晶の解像度を考慮すれば、本当のモバイルインターネットの実現は困難だったと続けた。10年前と今では、携帯端末の開発環境や部品の性能が大きく異なっている点を理解したうえで、当時の夏野氏の業績を高く評価しているようだ。にもかかわらず、わざわざiモードを名指しして「インターネットなんかじゃない」とこきおろしたのは、「iPhone」をはじめとするスマートフォンの優位性や、ソフトバンクが「先見の明」を持っていたことを際立たせたかったのか。真意は不明だ。

   孫社長はこれまで、全国に光ファイバー網を整備する「光の道構想」でITジャーナリストの佐々木俊尚氏と、また「脱原発」をめぐってはグロービスの堀義人代表と、それぞれ公開討論会を開いて徹底的に意見をぶつけあった。今回も、モバイルインターネットを題材に両者がとことん議論する機会は生まれるだろうか。

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