小学生からほとんど成長せず?
実は、01年から04年にかけて、小学校4~6年生に対して同様の調査が行われている。調査では、約4割の子どもが「太陽は地球の周りを回っている」と考えていることや、太陽が西に沈むと理解している子どもが6~7割しかいないことが判明し、波紋が広がった。
当時の小学生は現在の大学生の世代にあたるため、今回の調査は、この世代がどの程度知識の面で成長しているかをみる狙いもあった。だが、中学校、高校を経ても知識レベルで大きく成長していることは確認できなかった形で、藤下教授は、
「正答率の低さは衝撃的」
と嘆息。
「若い人が、『どちらの方角から日が昇るか』といった、科学を意識しなくても生きていける現状があるのではないか。学生に『石ころが、だいたい何グラムか』『30センチはどのくらいの長さか』という質問をしても、とんでもない答えが返ってくることがある」
と、学校の理科の授業で習ったことと、自分が実際に生きている世界との断絶を指摘している。