読売新聞は、「反乱会見」時とはうって変わり、今回の「清武氏解任」は大きく報じた。ところが、「清武氏批判」のトーンばかりが目立ち、プロ野球巨人の体質も問題視するほかの一般紙と比べ、かなり異なる印象を与える紙面となったようだ。
「ポーズだけでもバランスを取ろうという姿勢すらゼロ」。読売新聞を皮肉るこんな指摘がインターネット上で相次いでいる。
「組織人として失格」
「巨人、清武代表を解任」。2011年11月19日付朝刊で、毎日新聞は社会面トップ(東京最終版)で、清武英利・球団代表兼GM(ゼネラル・マネジャー)の解任を大きく報じた。
朝日新聞も、社会面の左肩(東京最終版)を最上部から最下部まで使って大きく伝えた。
読売新聞はどうだったか。
前回、清武氏がナベツネこと渡辺恒雄・球団会長を批判する「反乱会見」を開いた11日のニュースの扱いは、スポーツ面のみに小さな記事が出ただけだった。社会面や1面で大きく扱った朝日新聞など他の一般紙に比べ、あまりの扱いの小ささに、ネット上で「失笑」や「失望」の声が上がっていた。
今回の読売新聞は、1面から社会面、スポーツ面とかなり目立つ大きさで報じ、「反乱会見」時との違いをみせた。
しかし、その内容は、たとえば掲載している3人の識者コメントが、「組織人として失格」などいずれも清武氏に厳しい声であるなど、「反清武ムード一色」と言われても仕方なさそうな紙面だ。巨人や読売新聞側への問題点指摘は見あたらない。