DeNA「減益」で成長にブレーキ 頼みはグローバル化の進展

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   ソーシャルゲーム「Mobage(モバゲー)」を運営するDeNAの勢いに陰りが出てきた。ゲームに本格参入以来急成長を遂げてきたが、直近の四半期決算では営業利益が初めて前期比減となったのだ。

   プロ野球「横浜ベイスターズ」の買収に動くDeNAだが、足元のゲーム事業で減速。競合するグリーは好決算だっただけに、停滞が気になる。

自社開発の人気ゲーム投入の遅れが原因

営業利益が初めて前期比減となった
営業利益が初めて前期比減となった

   DeNAの2011年第2四半期(7~9月)連結決算は、売上高が346億8900万円で前期比横ばい、営業利益は154億700万円で前期比3%減となった。経常利益も前期比マイナスだ。10月31日の決算発表で冒頭、守安功社長は「この四半期は、数字があまりよくなかった」と率直に話した。

   ソーシャルゲームに本格的に参入して丸2年、DeNAは09年第2四半期以降、右肩上がりで急成長してきた。だが11年第1四半期の営業利益は微増にとどまり、今期は減益となってしまった。守安社長は原因として、自社開発の人気ゲームの投入が遅れたことを挙げた。会員数についても、有効会員数の中で月に1回でも「モバゲー」にアクセスした利用者数の比率は、やや減っているという。

   これに対してDeNAのライバル、グリーの7~9月期決算は売上高で前期比44%増、営業利益、経常利益とも同70%増と好調を維持。ゲームによる課金収入も前期比約1.5倍増で、今期の「対決」はグリーに軍配が上がった格好だ。

   DeNAは状況の打開策として、スマートフォン対応の強化とグローバル化の促進を掲げる。海外市場をにらんで2011年3月28日には、それまで使われていた「モバゲータウン」の名称を「Mobage」とアルファベット表記のブランド名に統一した。5月には米グーグルが開発した基本ソフト「アンドロイド」を搭載したスマートフォン向けにアプリケーションの提供を開始。7月に米国や中国、英国など7か国で英語、中国語版のアプリをリリースした。だが、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」向けのアプリはまだ開発されていない。予定では11~12月に完成というが、グリーが既にiPhone版を出していることからも遅れが目立つ。

   海外展開では、グリーが11年1月に中国インターネット大手「テンセント(騰訊)」と提携。これに対してDeNAは8月に米通信大手AT&Tと、11月8日には韓国の大手ポータルサイトと業務提携を発表し、態勢を整える。

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