アニメ、マンガ、ゲーム、音楽など日本のポップカルチャー文化「クール・ジャパン」の祭典「Japan Expo(ジャパン・エキスポ)」を、韓国の「K-POP」が占領し、ジャパン・エキスポは韓国の音楽を紹介する場に転落した、などと韓国の日刊紙、国民日報が報じている。
フランスのパリで始まった「ジャパン・エキスポ」は、数年前から韓国がゴリ押しとも言える形で販促活動しているとされていて、日本との間に様々なトラブルが起きていた。
K-POPの音楽と韓国アイドルの商品で埋め尽くされる
「ジャパン・エキスポ」は2000年にフランス人の日本文化愛好家らの手によってスタートし、毎年パリで開催されている。2011年は期間中に20万人もの来場者があった。今年は11年11月4日から6日にかけ、ベルギーの首都ブリュッセルでも開催した。フランス以外のヨーロッパでは初めての開催だ。
「国民日報」は11年11月17日付けの電子版に「ジャパン・エキスポを占領したKポップに日本のネチズンが激怒」という見出しの記事を載せた。
ベルギーのジャパン・エキスポ会場はK-POPの音楽と「少女時代」「ビッグバン」といった韓国アイドルの商品で埋め尽くされた。アニメやマンガといった日本文化はヨーロッパで成功を収めているなどと言われているが、エキスポ内では事情が異なり、韓国の音楽を紹介する場に転落した。ベルギーの女性が今回のエキスポの様子を「ユーチューブ」に投稿し、
「今まではJ-POPだったが今はK-POPにハマっていて、韓国ドラマも好き」
と語った。それを見た日本のネチズンは、
「あいつらは日本人ではなく韓国人だ!」「なぜ日本の祭典に韓国がいるんだ?」 「これがK-POPの力なのか。J - POPがK-POP に完全征服された」
などと大騒ぎをしている、などという内容だ。
評論家の山田五郎さんはTBSラジオ番組「荒川強啓 デイ・キャッチ!」(11年7月7日放送)に出演し、ジャパン・エキスポについて、韓国との間で毎年物議を醸している、と明かした。例えば06年はイベントに日本のマンガ家8人が招待されたが、韓国は韓国の11人の漫画家を非公式に連れてきて、エキスポの公式ホームページにも掲載させた、という。また、エキスポ会場の入り口に韓国国旗(太極旗)を掲げたこともあり、まるで韓国のエキスポに見えるのでは、ともめたこともあった。
他国で民間がやっている行事に申し入れ出来ない
パリで行われた、2011年6月の第12回開催では、「剣道のルーツは韓国」と主張するイベントと展示を企画。公式ホームページにも掲載された。
韓国は自国コンテンツを輸出するのに必死で、政府をあげた販売促進を展開している。「クール・ジャパン」は世界で人気のため、そのシェアを奪おうと考えている、というのだ。
さらに、「普通のフランス人からすると、日本も韓国も一緒ですから」
とし、このまま韓国の攻勢を許せば「クール・ジャパン」の地位が危うくなり、かつて白物家電が世界一だった日本が韓国に抜かれたように、アニメ、マンガなどのコンテンツ産業も韓国に持って行かれる可能性がある、と警告した。
日本のコンテンツ産業を振興する経済産業省のクール・ジャパン室に話を聞いてみると、「ジャパン・エキスポなのに韓国が幅を利かせているのはおかしい」といったメールが来ていることを認めた。
今年6月にパリで行われたエキスポには経産省のほか、外務省、観光省などがブースを出して日本をPRしたが、このエキスポはフランスの有志が運営しているものであり、運営について日本が口を挟むことは難しいという。ただし、「剣道のルーツは韓国」のイベントと展示に関しては、事実とは異なるとして外務省が申し入れ、中止させた。今のところ、主催者に申し入れができるとすれば、こうした嘘や、日本に対する誤解が生じる可能性がある場合だけだろう、と担当者は話している。