ニコニコ生放送などを子会社が運営するドワンゴの川上量生会長(43)が、「ネットは屑ばっかりだな」とツイッターで発言して話題になっている。ニコ生ユーザーが数々の騒動を起こしただけに、何か含みがある発言なのか。
川上量生会長の発言は、もともと次のような文脈からだった。
「屑が目立てるシステムだというのが問題」
同じドワンゴの夏野剛取締役(46)がツイッターで2011年11月15日、「たいした負担していないのに声高に税負担重いと叫んでいる人たちは、一度税率50%の理不尽さを味わうべき。本当にヤル気なくなる」とつぶやいた。これは、日本の税金が高所得者に重すぎるということが言いたかったらしい。
ところが、ある2ちゃんねるのまとめブログがこの日、夏野氏の発言を「日本の低所得者の税負担は軽すぎる。一度税率50%の理不尽さを味わうべき」と見出しにして紹介した。これに対し、夏野氏は「ヒドイ。そんなこと言ってないのに」と反論し、同僚の川上氏も、ネットユーザーはマスコミを偏向報道と批判しながらも、事実をねじ曲げて炎上させていると加勢した。
さらに、ツイッターで「夏野ならいいかねません」と反論されると、川上氏は「バカじゃねーの?ソースは見たの?」と逆上した。そのうえで、前述の「ネットは屑ばっかり」発言をし、「正確には目立ちたがりの屑が目立てるシステムだというのが問題」だと指摘したのだ。
この発言が出ると、2ちゃんでは、「それを作ってるのはお前の会社だろ(笑)」「そういう屑から金を巻き上げるシステム」「じゃどうにかしろks」といった声が相次いだ。別の2ちゃんまとめブログでは、そんな声を紹介して、「ドワンゴ会長がニコニコ生放送を痛烈に批判」とさえ見出しに立てている。
ニコ生のコメントを男女や10代、20代、30代以上で分ける?
こうした声が出る背景には、ニコ生でこのところ、常軌を逸した言動で騒ぎを起こすケースが続発しているかららしい。
2011年に入ってから6月には、AV女優の女性(20)が家の中で花火に火をつけ、消防車が出動する騒ぎがあった。11月には、20歳ぐらいの男性が偽札作りを実況中継して、怒った財務省が警察に通報する事態にもなっている。そのほか、小学校3年の少女が出演して視聴者から卑わいな質問が相次いだり、女子高生が乳がんで余命2週間とウソをついて謝罪放送をしたりするなど、ニュースは絶えない。
実は、ドワンゴの川上量生会長はツイッターで、ニコ生について意味深な引用をしていた。批評家の東浩紀氏(40)が11月14日、世間知らずでバカが多い中高生がニコ生で幅を利かせているとツイートしたのを紹介したのだ。そのうえで、川上氏はこの日、ニコ生のコメントを男女や10代、20代、30代以上で分けることが周りで議論になっていると明かし、こうした「クラスタ分けは避けられないと思う」とつぶやいている。
「屑ばっかり」発言は、やはりニコ生も意識していたのか。クラスタ分けなど、ユーザーを事前にチェックするシステムを何か考えているのか。
川上氏に聞こうとドワンゴ本社に取材すると、本人は外出中であるといい、広報担当者も同様で回答は得られなかった。