「新型テレビ」にはiPhone 4Sに搭載された機能搭載?
ITジャーナリストの佐々木俊尚氏は、2011年11月16日のインターネット報道協会(INAJ)設立3周年記念講演会の中で、ジョブズ氏評伝に書かれているテレビ開発の話に触れた。2012年にアップルが純正テレビを発売する可能性を指摘、「iPad」のようにアプリを使って操作するタイプになるだろうと話した。
テレビ自体がこのように姿を変えれば、「テレビのビジネスを本質的に変える」と佐々木氏は言う。現在テレビ局は、番組とコマーシャル(CM)をワンセットにして「一方的」に流しており、その番組の視聴者は基本的に誰もが同じCMを見ている。しかしアプリ化されることで、番組とCMが分離可能になるという。例えばテレビ局側で、アプリ経由で番組を視聴する人の年齢や性別といった属性や、過去にどんな番組を見ていたかという行動履歴を把握しておいて、視聴者ごとにターゲティングしたCMを流すという手段も考えられる。
現段階では、ジョブズ氏の描いていた「未来型テレビ」がどのようなものかは分からない。憶測が飛び交うなか、米ブルームバーグは2011年10月25日付の記事で、関係者3人の取材をもとにその姿に迫っている。発売は2012年後半から2013年にかけてと予測。「iPhone 4S」に搭載された音声ガイドシステム「Siri」や、アプリやデーターを保存して「iPhone」や「iPad」など異なるアップル機器同士で共有できる「iCloud」が取り入れられると説明した。「Siri」が利用できれば、リモコンを操作せず声で番組検索が可能になり、また「iCloud」があれば映画や音楽といったコンテンツを、ハードディスクのような装置なしに保存できる利便性を、記事では示している。