東証は、上場廃止できるだけ回避したい姿勢?
自主規制法人の判断に数値的な基準は設けられておらず、「重大な影響があるかどうか」を、関係者へのヒアリングなども踏まえて総合的に判断する。東証関係者は「会社全体として組織ぐるみなのか」「赤字なのに黒字と書いたのか」などの悪質性が問われることになると指摘する。
ここへきて「それほど悪質ではなく上場維持の方向ではないか」との見方が出てきたことが、オリンパスの株価に影響している。つまり、旧経営陣の個人による企業買収の不正疑惑と、会社による有価証券報告書への虚偽記載とを分けて整理し、証券取引等監視委員会は虚偽記載について課徴金などの行政処分にとどめる模様、との観測報道が週末から相次いだのだ。
もともと、「東証は、上場廃止はできるだけ回避したい姿勢」と見られている。旧経営陣の個人的な問題ということになれば、悪質度は高くないと判断し上場維持となるかもしれない、との思惑から週明けはストップ高となった。ただ、上場廃止か維持かの結論が出るのは12月以降。経営の先行き不安から上がり続ける材料にも乏しく、当面は短期筋のマネーゲーム銘柄になる可能性が高まっている。