大学生らが電車内でほかの乗客を無断撮影してツイッターで中傷的な発言をするなどして、ネット上で炎上するケースが後を絶たない。中には、高学歴とされる早慶の学生を名乗るツイートもあるのだ。
「ちょおキモいのいた」。大妻女子大生がファストフード店内で男性客を無断撮影し、ブログでこう紹介して炎上。ブログは2011年11月4日までに閉鎖に追い込まれた。
「100億%のヅラ発見」などとツイート
そして、今度は、早慶の大学生が無断撮影した乗客をツイッターで晒したとして、ネット上で騒動になっている。
早大3年で20歳の男子学生というユーザーは2011年11月11日、おでこと頭髪の境がはっきり分かれた中年男性を顔が分かるように写真を投稿。同時に、「100億%のヅラ発見@東西線」とつぶやいた。大妻女子大生の炎上騒ぎがあったのにもかかわらず、注意していなかったとみられる。ネット上で批判が相次ぐと、ツイッターのほか、ミクシィやフェイスブックも次々閉鎖された。
また、慶大4年で23歳の女子学生というユーザーは、10月14日夕にツイートした発言がやり玉に挙がった。電車内で口を開けて寝る高齢者男性の顔が見えるように撮影して投稿し、「歯がありません」とつぶやいた。写真では、前歯2、3本のほかは歯がないように見える。このユーザーは、友人といたらしく、「電車で撮ったら、相方に怒られました」とも書いた。11月5日に「2chに晒されてるんだけど…こわい…」とつぶやき、その後はツイッターを非公開設定にしている。
さらに、他大学の学生らも、同様なツイートがネット上で次々に暴かれ、騒ぎが広がる事態になっている。
電車の中で気づかれずに無断撮影できる理由としては、携帯電話についているカメラのシャッター音を消している可能性がある。
スマホのアプリで消音の可能性
ツイートが問題になったある私大生は、「iPhoneの微音カメラってアプリ本当に音しない!」と明かした。スマートフォンには、「無音カメラ」「微音カメラ」といったアプリがあり、それでシャッター音を聞こえなくしているようなのだ。
アップルジャパンの広報部によると、微音カメラのアプリは、アップルの審査を通っている。このアプリでは、音量ゼロでの撮影はできなくなっており、盗撮防止のため、上向きだと撮影できなくなる。しかし、蚊の鳴く程度の音のため、電車内では聞こえない。無断撮影した大学生らは、ネット上で問題になりうることをよく考えずに、気軽な話題作りのつもりでこうしたアプリを試したのかもしれない。
早大生というユーザーのツイートについて、早大の広報課では、初耳だとしたうえで、取材にこう答えた。
「ネット上はなりすましもあり、同一人物だという確証があるのか疑問です。ネット上で騒ぎになっているからと言って、1つ1つ確かめたりはしていません。事実か分からないことはコメントしていませんし、仮定の話についてもお答えできません」
一方、慶大の広報室では、「ご意見などはいただいており、情報の内容は把握しています」とコメントした。そのうえで、「学生との面談も含めて、大学として適切に対処いたします」としている。ただ、面談の内容については、答えられないという。また、慶大生というユーザーが明かした内定先の大手企業では、「事実関係を把握しておらず、内定取り消しなども特に聞いていません。内定者については、たとえ調べたとしても、その内容は公表できません」(報道室長)と言っている。