ナベツネ騒動、最大の「ピエロ」は江川か 裏にチラつく「巨人戦」の視聴率事情

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渡辺会長の動きの陰にある2つの理由とは?

   騒ぎの元となった江川のコーチ就任に注目したい。江川は現在、日本テレビのスポーツニュースでキャスターを務めている。ユニークな切り口が受け、そこそこの視聴率を稼いでいるという。

   渡辺会長が密かに動いたのは二つの理由があるように思える。その第一は、清武代表の主導で編成した来季のコーチ陣が気に食わないこと。既に就任が決まった橋上秀樹、秦真司という新顔にまつわるもので、彼らが教わった野村克也のID(インポータント・データ)野球の導入に対して、だ。

   「天下の巨人が野村に屈したのか」と首をかしげるOBがいることは事実。巨人の背後に野村の影、というのをプライドの高いOBたちが認めるわけがない。そういった声が渡辺会長の耳に届いたのではないか。

   巨人生え抜きでチーム再建を、と渡辺会長が方向転換してもおかしくはない。そこで独特の野球観を持つ江川に白羽の矢が立った。読売グループ内の人事であり、ましてや渡辺会長直々ならば江川は受けざるを得ない。

   おそらく江川には、2013年から監督、という話もあったのではないか。江川は20年以上も現場から離れている。来シーズンはヘッドコーチとして勘を取り戻すための1年というわけである。実は原辰徳監督も、長嶋茂雄監督の元でヘッドコーチを務め、そこで監督修行をした。新しい巨人方式といえる。

   第二は、日本テレビからの要請だ。巨人戦の視聴率がかつてと比べると、かなり低い。10%を切ることも珍しくないという。そこで人気のある江川を送り込む。キャンプから話題になるし、原とは比べ物にならない江川の語りは受ける。

   球界最高のスーパースター長嶋でさえ、勝てなくなって視聴率が下がると、監督交代の話が出たくらいである。メディアをグループに持つ宿命だ。

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