トルコ東部で発生した地震で、救援活動のため現地を訪れていたNPO法人「難民を助ける会」の宮崎淳さんが亡くなったことに、トルコではインターネット上で哀悼の意を表す人が現れている。
トルコの大統領は天皇陛下に書簡を送り、宮崎さんへの弔意を示した。遺体がトルコを離れる際は、空港でトルコ政府によるセレモニーが行われた。
「トルコ国民は自己犠牲の精神を決して忘れません」
トルコ東部では現地時間2011年11月9日、マグニチュード5.7の地震が発生、宮崎さんが宿泊していたホテルが倒壊した。数時間後に救出、病院に搬送されたが、その後亡くなったという。
同地では10月23日、死者600人に上る大地震が起き、宮崎さんは現地で救援活動に携わっていた。そのさなかに被害に見舞われ、日本だけでなくトルコの人たちも胸を痛めた。事故後ツイッターでは、英語で「勇敢な宮崎さんの死を大変悲しんでいます」「宮崎さんこそ手本となる人物だ」といった、宮崎さんを称える書き込みが見られる。「日本の皆さんに申し訳ない」との言葉もあった。
在日本トルコ大使館は11月11日、ウェブサイト上で宮崎さんの活動について、「感謝と敬意とともにいつまでも我々の記憶に留まるでしょう」との声明を発表した。だがトルコ側の「思い」はこれだけにとどまらない。
トルコの英字紙やカタールのアルジャジーラ(英語版)は、トルコのアブドラ・ギュル大統領が天皇陛下に手紙を送ったと報じた。書簡の中でギュル大統領は、日本から送られた被災地への支援に対して「2国間の友好と親密さの証だと感じた」と記した後、宮崎さんと、今回の地震で負傷した「難民を助ける会」の近内みゆきさんについて触れ、
「私たちトルコ国民は、おふたりの自己犠牲の精神を決して忘れません。被災地・バンにおける献身的な活動を通じて、私たちの心の中に長く記憶されることでしょう」
と最大級の賛辞を贈った。
またトルコのアフメット・ダーヴトオール外相も、ツイッターで「宮崎さんの家族は、これからずっと私たち(トルコ人の)家族だ」と投稿、大切な家族の一員を失った宮崎さん一家の心中に配慮したメッセージを送った。