「ハーグ条約」加盟の動き急 専門家も「条件付賛成」に傾く

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家庭内暴力の扱いが焦点

   問題は、どのような場合に返還を拒めるかだ。条約は「元の国に戻す」のを原則としつつ、「子が身体的、精神的な害を受ける重大な危険がある場合」や、連れ帰ってから1年以上経過して子が新しい生活になじんでいると判断される場合などは、返還を拒否できると定めている。例えば米国人の(元)夫のDVが疑われるような場合は返還を拒否できるということだ。ただ、拒否できるケースの要件をどう規定するかは簡単ではない。また、実際にDVに耐えかねてようやく逃げ帰った女性が、外国でのDVを証明するのは容易ではない。

   ハーグ条約への日本の加盟は欧米から強く求められていて、日米間でも、普天間基地、TPP、米国産牛肉輸入問題とならぶ「四つの宿題」(山口荘副外務相)の一つとまで位置づけられている。専門家の間でも、返還を拒否できる条件を厳格にして加盟すべきだとする「条件付賛成」の声が多いとされるが、「子の利益第一」を大原則に、どのような法案の条文に仕上げるか、関係者は注視している。

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