野田佳彦首相は2011年11月11日夜、首相官邸で記者会見を開き、環太平洋経済連携協定(TPP)参加に向けた交渉に参加する方針を正式に表明した。
野田首相は11月12日から、13日にかけて米ハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、米オバマ大統領ら関係国首脳に交渉参加の意向を伝える。
「農村断固守り抜く」
野田首相は冒頭、
「TPP交渉参加に向けて、関係国との協議に入ることにした」
と明言した上で、
「メリットとともに、数多くの懸念が指摘されていることは十二分に承知している」
「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村は、断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる安定した社会を再構築する決意だ」
と、党内の慎重論にも一定の配慮を見せた、その上で、
「貿易立国として今日までの繁栄を築きあげてきた我が国が、現在の豊かさを次世代に引き継ぎ、活力ある社会を発展させていくには、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかなければならない」
とTPP交渉参加へのメリットを強調。
「各国が我が国に求めるものについてさらなる情報収集につとめ、十分な国民的議論を経て、あくまで国益の視点に立ってTPPのへの結論を得たい」
と述べた。