国民生活センター「トラブル、あとを絶たず」
山岡氏は、日本が従来型の「団体戦」を続けていては、「このままでは日本は滅んじゃう」としつつ、ネットワーク・ビジネスは、「団体戦でなく個人のパワー」を生かすものだと持ち上げた。
「みなさんに日本を作り替えて頂きたい」
さらに「健全な」ネットワーク・ビジネスは、「国のためになる仕事」だとして、バックアップを約束している。
実は、インターネットの動画投稿サイトには、2008年に投稿された、山岡氏による「マルチ商法称賛」講演動画が紹介されている。今回のDVDとは別の集会で、08年より古い映像の可能性が高い。
この動画では、山岡氏について司会者が、「ネットワーク・ビジネスの健全な発展」のため、「各地で熱の入った」講演を行い、「(聞き取り困難)仲間から絶大な信頼」を得ている、と紹介している。
山岡氏は、DVD講演とほぼ同様の話を展開し、「本当の意味で国民に期待されるビジネスに育てていって頂きたい」として、「全力で政治の面からもバックアップをしましょう」と宣言している。
山岡氏はかつて、マルチ商法関連の議員連盟会長を務めていたこともある。
マルチ商法自体は違法ではない。マルチ商法を問題視する声に対し、業界内では、「業界すべてが悪いとの印象をマスコミが与えている」と反発する声がある。
一方、独立行政法人「国民生活センター」のサイトによると、「マルチ商法、マルチレベルマーケティングなどと呼ばれる取引でトラブルにあう事例はあとを絶ちません」(2010年7月)と注意を呼びかけている。
同センターが11年11月1日に公表した「マルチ取引」の相談件数は、09年1万5789件、10年1万1614件、11年は9月末までに3853件。相談内容は「解約・返金に関するものが多い」そうだ。