会社側「発言についても調査して報告する」
また、ネット上では、鵜野森店に張り出されたお知らせが批判を浴びている。営業停止になった2011年11月8日、臨時休業の理由として「設備メンテナンスの為」とだけ挙げられ、食中毒のことは一言も触れていなかったからだ。食品衛生法上は、張り紙に明示しなくてはならない決まりはないが、不誠実な店側の対応と受け止められているようだ。さらに、井戸実社長名でサイト上に出された「食中毒事故発生のお詫びとご報告」が、11月8日付になっているが、実際は9日に出されたものではないかとの疑問も出ている。
井戸社長は、これまでも数々の「問題発言」で、波紋を呼んできた。
フェイスブックでは2月23日、「たった1000円ちょっとの食事で30分もクレーム電話をし続ける奴の気が知れない。働け!」などと本音をぶつけた。また、肉が硬いとの苦情には「顎を鍛えてください」とメールしたことをブログで明かしたり、スカスカおせち問題で販売元を擁護するような発言をツイッターでしたりしている。
飲食店関係者からは、店側の代弁をしてくれていると評価の声がある一方、ネット上では、客の批判や悪口を言うとは何事かと批判も多い。それだけに、今回の食中毒発生で、「とうとう被害者を出してしまったな」「さて社長はどんなコメントするか」「自己責任論が出るのか?」などと注目が集まっている。
井戸社長は11月9日夕現在で沈黙したままだが、6日のブログでは、匿名の書き込みは気にしないとして、「便所の落書きにイチイチムキニなってたら胃潰瘍で死んじゃうってさ。そんな話」と書いている。
エムグラントフードサービスの広報担当者は、取材に対し、こう説明する。
「社長のツイッター発言は、個人的な発信であり、事実関係のすべては確かめられていません。現時点ではお答えできることはありませんが、食中毒の原因とともに調査してホームページ上で来週中には報告します。店のお知らせについては、今後は食中毒についても触れる段取りで進めています。サイトのお詫び文は、確かに11月8日に出しており、指摘されたことは間違いです」