米投資ファンドは広報室長を重要視している
株主が広報室長の早期退任にまで言及することは異例だ。国際金融アナリストの枝川二郎氏は、「米国で広報というとPRや宣伝に近いが、日本の広報は企画部門などと同じ経営の中枢に位置し、多くの情報が集まってくる。対外的に発信する情報も、広報の権限や裁量で選別できる。それもあって(米投資ファンドは)広報室長を重くみているのでしょう」と話している。
米投資ファンドは10月31日に、問題が指摘されている英医療機器メーカー、ジャイラスなどの買収を決定した取締役会議事録の公開を求めていた。オリンパスの広報IR室に、公開の有無を聞いたところ、「要望があったことを含め、個別の案件については申し上げることはできません」と答えた。
また、「第三者委員会の調査で真相を究明すべく最善を尽くしており、調査結果についてはすみやかに開示していきます」と述べ、「これが現在のわたしどもの姿勢です」と繰り返した。
米投資ファンドが満足のいく回答を得られず、広報IR室長が「役割を果たしていない」と判断したのかもしれない。
J-CASTニュースは、名指しで退任を迫られたオリンパスの南部昭浩広報IR室長にコメントを求めたが、「コメントできません」の一点張りだった。