同友会委員「日本の農業を強くするチャンス」
これに対して、農家代表の佐藤氏は「淘汰される可能性もあるが、努力する中で見えてくるものもあるのではないか。農業は多様で一律ではない。戸別所得補償のような一律は問題で、条件に応じたものが必要だ」と現実論を展開。「今の日本経済を支えているのは農業ではない。TPP参加はやむなしではないか。WTO(世界貿易機関)の農業交渉では様々な失敗があった。それを繰り返してほしくない」と主張した。
民主党の首藤氏は加藤氏に同調する形で、「私は断固反対だ。TPPにはインドネシア、タイ、台湾、中国などアジアの主要国が入っていない。インドネシアとタイはTPPに否定的。中国は敵意をもっている」などと主張した。
経済同友会からは、坂東真理子氏が「どうしたら日本の農業を強くできるのか。農業をしたい人を広く集めることが第一。韓国は農業の構造改革をしようとしている。TPPは日本の農業を強くするチャンスで、活用すべきだ」などと応じた。
レイク氏は①医療保険制度②外国人労働者の流入③輸入食品の安全性――などが米国主導で見直され、日本の国益が損なわれると指摘されている問題点について「反対派が繰り返す神話だ」と批判。「TPPは新たな黒船ではない。総論賛成、各論反対では失敗する」と主張。鰐淵氏は「国内に問題があるからこそ、交渉のテーブルに着いて、乗り越えるべきだ」と述べた。