横浜ベイスターズの買収が決まったディー・エヌ・エー(DeNA)は2011年11月7日、同社が運営する「Mobage(モバゲー)」上での試合中継や、ネットからの応援コメントをスタジアムに電光表示することなどを検討している、と明らかにした。「Mobage」と連携した運営でファンの心をつかむ方針だ。
買収が決まった直後の11月5日、30年来の横浜ファンを公言する漫画家・やくみつるさんが日刊スポーツ、神奈川新聞の紙面で「横浜ファンを中断する」ことを宣言した。
やくさん発言にネットでは批判的な声が強い
やくさんが「ファン中断」を宣言した理由は、DeNAが展開する「Mobage」への不満だ。やくさんは携帯電話向けゲームの子供への悪影響を懸念し、子どもは虫取りや読書などを通じ成長すべき、との持論から「あの会社にだけは買ってほしくなかった」などとDeNAへの不満をぶちまけ、果ては「こんな会社はいらん」とまで極言。地元横浜の企業に再買収されるまで、ファンをやめると語った。
やくさんの発言にネットでは総じて批判的な声が強かったが、横浜ファンを名乗るネットユーザーには、やくさんの「ファン中断宣言」に「まったく同じ心境」などと共感を示す人も見受けられた。
やくさんの発言は極論としても、「携帯電話向けゲーム」という新興産業を核とするDeNAへの不安は多くのファンにあるようだ。
応援コメントをスタジアムに電光表示するプランも
DeNA広報部はこうした不安に「こちらの情報発信が足りていない部分もある」としつつ、「そもそも、いい加減な球団運営をしても何の意味もない。決して軽い考えではありません」と熱意を強調。「伝統を尊重しつつ、引き続き横浜で球団、地元、ファン、球場が一丸となった運営を続けたい」と理解を求める。
DeNAでは大リーグなどの事例を参考に、ネットと野球の相性の良さに注目している。「具体的にはまだ何も決まっていない」としつつ、考えられるアイデアの一例として、Mobage上での試合中継や、リアルタイムで寄せられた応援コメントをスタジアムに電光表示する、といったプランを明かした。
なお「子どもへの悪影響」説に対しては、「Mobage利用者の43%以上は30代以上だ」と述べた。