アイドルグループ「AKB48」オタクと、歌うバーチャルアイドル「初音ミク」オタクの「戦争」勃発か、とネットで騒ぎになっている。きっかけは週刊マンガ雑誌「少年マガジン」に連載中の「AKB49―恋愛禁止条例-」だ。
「AKB48」を持ち上げるため、ミクやミクのファンをバカにしているとしか思えない表現や内容がある、というのだ。
「毎日一人で『初音ミク』って、そんなに楽しい?」
マンガ「AKB49」は、男子高校生がひょんなことから「AKB48」のオーディションに合格し、研究生となりメジャーデビューを目指すという物語。2010年夏から連載がスタートし、「AKB48」メンバー全員が実名で登場、プロデューサーの秋元康氏も制作に参加しているほか、実名でも登場している。
問題となっているのは「週刊少年マガジン」11年11月16日号。主人公で男子高校生の浦川みのりが「AKB48」から派生した3人組「GEKOKU嬢」でメジャーデビューが決まり秋元氏が楽曲を用意した。しかし、浦川と、マネージャーは曲が良くないとして歌うのを拒否。マネージャーが別の作曲家を推薦するのだが、5年も自宅に引き籠もっている男子中学生で、初音ミクおたくだった。
中学生は、曲を動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップしていて、それが1週間で50万視聴という人気を博していた。浦川とその仲間は中学生の自宅に行き作曲を依頼。しかし「メジャーに興味はない」とけんもほろろに断られる。
引き籠もってからずっと音楽ソフト(ボーカロイド)の初音ミクと共にいた息子。母親は、
「初音ミクだけが遊び相手なんだと思います」
と説明。諦めきれずに、中学生の部屋で一緒に晩ご飯を食べる。ところが、中学生の食事の仕方が、まるで犬やネコのように描かれていた。
パソコンのモニターに触れようとすると、
「ミクに触るな!!」
と怒鳴られる。浦川は中学生に、
「5年間毎日一人で『初音ミク』って、そんなに楽しい?」
と問いかけ、仲間になってCDを出そうと呼び掛ける。
ストーリーの結末は「AKB48」への寝返り?
マンガでは、中学生がカラオケボックスに一人で出掛けていることを知った浦川が、「AKB流のおもてなし」をしてあげたいと「AKB48」のスタッフと研修生に提案するところで終了。次週発売の号ではセンターカラーの増ページになると予告している。
こうした表現に関してネットでは、
「ミク(ボーカロイド)愛好者がなんでこんな引き籠もり、オタクに描かれるんだ?」
「ミク厨(中毒)もキモイが、AKB厨はもっとキモイ」
などと騒然。掲示板「2ちゃんねる」には、「戦争へ AKB48の漫画で初音ミクがバカにされて ニコ厨ブチギレ」などというスレッドが複数立つ「祭り」にも発展した。
中には、このマンガは「AKB48」が主役のため、来週掲載の結末は、AKBの魅力にコロリと落とされた中学生が「AKB48」へ寝返ることになるはずだ、などと推測する向きもある。
「そんな内容だったら絶対に許さない!!!」
などと息巻いているのである。