高級外車の売れ行きが好調ななか、ドイツのダイムラーが販売する「メルセデス・ベンツ」とBMWが激しいシェア争いを繰り広げている。
日本自動車輸入組合によると、2011年9月の新車販売台数はメルセデスが4688台、BMWが4165台で、メルセデスがわずかの差で上回った。一方、米国では「メルセデス・ベンツ Cクラス」の好調を背景に、10月の販売台数でメルセデスがBMWを抑えた。
毎月のように順位が入れ替わる
メルセデスとBMW――。ドイツ車の「宿命のライバル」は、新車販売台数の実績でほぼ毎月のように順位が入れ替わる、「ガップリ四つ」に組んだ状態が続いている。
日本自動車輸入組合の調べでは、9月はメルセデスがBMWを上回ったが、8月はメルセデス2430台(販売シェア12.16%)、BMW2490台(同12.46%)とBMWに軍配が、しかし7月はメルセデス2322台(10.85%)、BMW1932台(9.03%)と、メルセデスが上位だった。
1~9月の累計では、BMWが1万7146台(12.08%)と、メルセデスの1万7089台(12.04%)をわずかに上回った。
ただ、前年同期で比べると、BMWが2.5%増だったのに対してメルセデスは7.6%増と、メルセデスに勢いがあるようだ。日本自動車輸入組合は「Cクラスの発売が効いていて、それに負うところが大きいようです」と、好調の要因をあげる。
メルセデス・ベンツの「新型Cクラス」の発表があったのが5月30日。「Cクラス」は、BMW「3シリーズ」のいわば「対抗」車種で、新型エンジンや、直噴ターボエンジンモデルにも7速AT「7G‐TRONIC PLUS」を採用することで動力性能と燃費性能を向上したのがセールスポイントだ。
さらに、10月17日には販売価格435万円で「Cクラスクーペ」をラインナップ。若者層へのエントリーモデルとして売り込んでいく。