大阪市長選に転戦する橋下徹・前府知事が、一部雑誌による自身への「ネガティブ記事」に対し、「茶目っ気」をまじえて反撃している。
世論調査の結果によっては、「大阪市長にふさわしい」人物として、対立する現職、平松邦夫市長の約2倍の「支持」をたたき出しており、橋下氏の「反撃」の中に余裕を感じる向きもあるようだ。
「ネガキャンペーン」を逆手にとる
「実の父が暴力団員?結構毛だらけだ!」。橋下氏は2011年11月1日、大阪市内で行った府知事辞任後初となる街頭演説で、月刊誌「新潮45」や週刊新潮、週刊文春が報じた自身の出自や生い立ちを逆手にとって反論した。
「今の権力構造を変えるには、坊ちゃんやお嬢ちゃんじゃできませんよ」(橋下氏の1日の演説)というわけだ。実父については、幼いときから別に暮らしており、「俺の記憶にない実父」(ツイッター)とも指摘している。
「結構毛だらけ」のセリフは、故・渥美清さんが主人公「フーテンの寅」さんを演じた、人情喜劇映画「男はつらいよ」シリーズで知られる。「結構毛だらけ、猫灰だらけ…」と明るくテンポよく使われるセリフで、どことなくおかしみがある表現だ。
さらに橋下氏は、ツイッターで、「(出自や親族情報などばかりで)俺の不祥事は何も報じてないじゃないか!」(11月2日)などと、2週にわたって「橋下特集」を展開中の週刊新潮と週刊文春を挑発しつつ、「こんなこと言いながら、週刊バカ文春もバカ新潮も買ってしまったじゃないか!」(同)と冗談交じりにつぶやいている。
もっとも、こうした言い回しを含む橋下氏の発言全般については、必ずしも「茶目っ気」と感じる人ばかりではない。